基礎化学科に求人してきた企業を、令和4年度についてまとめたものを図1に示します。
化学関係企業からの求人は約18%ですが、金属・鉄鋼、精密・機器、電気・電子、食品・衣料、資源・環境、機械・設備系の企業でも希望されている人材は化学関連の職種なので、それらを合わせると比率はさらに高くなり、8割程度の企業が化学関連の学生を求めています。
学部卒業生と大学院博士前期課程修了生の、最近5年間の進路を図2および図3に示します。
化学関連の職種に就く人は全体の約50%です。高校の教員や国や地方の公務員(主に化学系の研究所や試験所など)として教育・研究職に就く人も毎年若干名いますが、ほとんどは大学院修了者です。
理学部では、学部卒業後さらに大学院に進学する学生が増加しています。これは、科学技術の進歩にともなって、専門家として社会に貢献するためには、学部段階での知識の上に、研究的な素養を身につける必要が生じたためです。実際、企業で研究面での活躍を希望する場合や、高校の教員の採用にあたっては、修士の学位取得者が有利になってきています。
最近は、学部卒業生の約70%が大学院へ進学しています(図2参照)。進学先は埼玉大学の大学院を含め、国立大学法人および公立大学の大学院がほとんどです。専攻分野は化学が主ですが、物性物理学、工学、環境分野、生命科学など、化学と関連する学問を含めた広い範囲にわたっています。これも現代の化学が自然科学の多くの分野から必要とされていることを示しています。
博士前期課程修了後、多くの人は化学関連企業に就職したり、技術系の地方公務員や教員となりますが、約3%の人たちは博士後期課程に進学し、さらに高度な専門教育を受けています。