基礎化学科について/カリキュラム の履歴ソース(No.5)

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●教育の理念と目標&br;
 次のような目標のもとに教育をおこなっています。 
+現代の化学を総合的に理解するための基礎的知識を修得させる。 
+化学の研究者,教育者,技術者またはその周辺の科学を専攻する者としての基礎技術の修得。 
+自然科学における「化学」の役割を理解し,社会における重要性を認識した,広い視野をもつ社会人の育成。 

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CENTER:基礎化学科 図書室

●カリキュラム編成の特徴&br;
 この目的を効果的に達成するため,以下のような点に留意して体系化されたカリキュラムを編成しています。 
+早期に化学の基礎知識を身につけ,同時に現代化学の全体像を理解して「化学」に自発的に興味がもてるように科目を組む。映像教材なども活用する。 
+「物理化学」「無機化学・分析化学」「有機化学」という分野ごとに,一貫した系統的な教育ができるように体系を組む。 
+演習や実験の科目を多くして,実際に合成操作,反応の追跡,物性測定,各種の機器を用いた解析手法などの技術を十分に修得させる。 
+個々の学生の興味に応じて,先端的な研究領域や最新のトピックスに触れることができるような講義を設け,学外からの講師による特別講義も行う。 
+教官の研究室に所属して一つの研究課題に取り組む「卒業研究」や「卒業演習」によって研究の最前線を体得させる。 
+帰国子女や外国人留学生を積極的に受け入れる。 
+社会人,特に高校の先生や企業からの内地留学を積極的に受け入れる。

 基礎化学科におけるカリキュラムの体系図を以下に示します。~

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●専門科目にみる基礎化学科学生の4年間&br;
 現代の化学には多くの専門分野があります。学部の4年間でこれらの全てを教育することは不可能なので,教育課程を精選しています。専門科目を通して学部学生の4年間をみてみましょう。
-1年次は基礎科目 
> 人文社会系基盤科目,英語,スポーツ,情報基礎などの科目と並行して,化学の基礎教育がはじまります。高校までの知識と異なる新しいイメージで化学をとらえ演習を通して定着させる「基礎化学物理」および「化学演習I」,化学を学ぶために必要な自然科学の基礎として「代数及び幾何」「微分積分学」「基礎物理学」,化学の系統的専門科目の入門編として学ぶ「物理化学」「無機化学」「分析化学」「有機化学」そして化学実験法の基礎を修得する「化学基礎実験I」。いずれも必修科目です。このように精選された必修科目を履修することにより,化学の学習に何よりも必要な基礎知識の習得をします。

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-2年次からは化学の専門課程 
> 講義では,物理化学,無機・分析化学,有機化学の3つの大きな系列を,系統的に学びます(ほとんどが必修科目)。1年次の物理化学系講義の復習と発展を目的とした,「化学演習II」も必修です。さらに,専門分野の化学を学ぶための選択科目も一部始まります。また,「英語化学文献講読」では,現代の主流である英語の化学論文を読みこなす力を身につけます.&br;
 2年前期の「物理学実験」は選択科目ですが,基礎化学科の学生向けに高校で物理を選択していなくても履修可能な内容になっていて,化学に必要な技術も多く盛り込まれています。&br;
 2年後期の「化学基礎実験II」,3年の「合成・解析化学実験」と,化学実験が1年半にわたって必修科目として課せられ,実験の面白さや不思議さを体験するとともに,卒業研究などを遂行するための基礎的技術を身につけることになります。&br; 
 この期間は修得する内容が豊富で変化に富んでいますが,化学に対する興味が倍加してくる時期でもあります。ここでしっかり勉強しておくことが真の実力を涵養することにもつながっていきます。

-3年次と4年次向けの選択科目
> 必修科目が一部ありますが,専任教員の専門分野に関連する知識を修得するために選択科目を主に履修します。また,各研究室における研究内容を紹介する,「現代の化学」の授業も行われます。&br;
 他大学からの教授陣による講義として,夏季・冬季休業の前後に開講される「集中講義」の授業があります。化学の分野は広く,その全てを専任の教官陣が担当しきれないため,放射化学,地球化学,有機立体化学などのほか,最新のトピックスも選定して講義が行われています。

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CENTER:合成化学実験室の風景

-4年次は研究室に所属 
> 各自が希望する専門分野の研究室で,将来,化学やその周辺の科学にたずさわる者になるための,最も充実した貴重な1年間を過ごします。&br;
 「卒業研究」では,一つの研究課題に取り組み,結果を出してそれを考察していく方法を,個別指導しています。基礎化学科には最新鋭の分析機器やさまざまな測定機器が多数設置されていて,ネットワークを通じて研究に有効に利用されています。このような機器の動作原理や操作を学ぶことも大事な学習の一環となっています。&br;
 「論文輪講」では,英語で書かれた論文を説明したり,原書を講読します。これらの経験が“研究報告書の書き方”や“学会での発表”の基礎訓練につながります。この期間は日夜卒業研究に没頭するだけではなく,研究室の一員として教員,先輩や仲間たちとの毎日のつきあい,レクリエーションや旅行などを通じて自分の人間性を鍛え磨く時期でもあります。卒業研究の発表会を終えると,まもなく卒業です。 

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CENTER:解析化学実験室の風景

●学生生活&br;
-教員や先輩との交流
> 毎年,4月当初には各学年向けの公式のガイダンスを行っています。また,非公式ながら2〜4年次学生がそれぞれ新1年次生と懇談の機会をもうけているので,その中でカリキュラムなどについて先輩からのアドバイスも受けられます。&br;
 1〜3年次の学生に対しては,各教員が分担して「担任教員」となり,定期的に面接を行ったり,さまざまな相談に応じています。また授業カリキュラム,教育実習,就職などについては,それぞれ担当の教員が相談に応じています。4年次で研究室に配属された学生は,指導教員や先輩の大学院生が個別の指導を行っています。&br;
 基礎化学科は伝統的に先輩と後輩の交流が密接なので,教員との面談よりも,学生同士の情報交換が有効に作用しているようです。&br;
 学生生活における精神面での悩みや身体の健康については,本学の[[保健センター:http://www.saitama-u.ac.jp/hoken/hoken/index.html]]を利用することができます。専門の医師・カウンセラーが常時相談に応じています。

-進路指導
> 研究室に所属されている学生については,その指導教員が担当しています。また,学科長や就職担当教員も相談にのっています。図書室には会社紹介や求人票などの就職関係資料が揃えられており,就職に関する情報を定期的に流すためのメーリングリストも開設されています。