Japanese | English

Takayanagi Lab.

Research

Radiation chemistry

 DNAは4種類の核酸(アデニン、グアニン、シトシン、チミン)で構成されており、 その形は、核酸同士がリン酸基で結ばれた2つの一本鎖をらせん状に水素結合した構造、つまり二重らせん構造を作っています。 しかし、このDNAの形は普遍的ではありません。

 この地球上には宇宙からくる高エネルギーの粒子や放射線 ( > 数MeV ) が頻繁に降り注いでいます。 当然、我々人間の体にもそういったものが当たることによって二重らせん構造が破壊されることがありますが、 生物はその損傷を回復する手段 (機能) をもっています。

 そして、ここ最近非常に恐ろしく、また興味深いことが科学者の間で言われるようになりました。 それは、『 低エネルギー電子によるDNAの損傷 』です。

 先ほど述べたように、大きなエネルギーをもった粒子や放射線が体のどこかに当たればDNAが損傷する、ということは簡単に想像できます。 しかし、そのような粒子や放射線が原子や分子衝突した際に出てくる電子、つまり数eV以下のエネルギーしかもたない二次電子との衝突でさえもDNAは損傷する、ということがこの10年ぐらいの間に世界中で新しい問題となり始めました。

 そこで我々は、その損傷による生体への影響を解明するべく、低エネルギー電子と生体分子がどのように化学反応するのかを研究しています。

具体的な研究例